精神科における看護ケアの内容

精神科の看護ケアとは、対象となっている患者の健康上において不足しているセルフケアを援助することにある。
患者は、病気や将来に対する不安、苛立ちを抱えていることが多い。
また、自分の感情をうまく言葉で表現することができずにトラブルに発展したり、幻聴に左右されて現実の生活が上手くいかないこともある。
特に、慢性期の患者の場合、認知機能が低下している場合もあるので、患者が自分の感情や考えを整理して周囲に伝えられるように、看護師が働きかけることも大切だ。

看護師は、患者の療養上の世話や診療の補助を行わなければならないが、精神科における療養上の世話では、病気のためにセルフケアの能力が低下しすぎた患者の状態に合わせた援助が必要だ。
ただし、援助というのは一方的に行うのではなく、患者がそうなりたいと思うことに近づけることを指す。
また、療養上の世話の中には衛生管理も含まれるが、その主な内容は、洗面や清拭、着替えなど、個人が清潔を保つ上で難しいことを手伝うことも盛り込まれている。

さらに、精神科病棟に入院している患者の中には、身支度することに興味をもっていない人もいる。
そのため、洗面や入浴、清拭などで体を清潔に保ち、着衣を定期的に交換することを促すことも欠かせない。
精神科で看護ケアを行う場合、患者の心身の健康をサポートすることと併せて、ひとり一人に合った社会復帰への支援を医師や患者と共に考えていくことが需要だ。